『スプリット』滑稽さの愛らしさと優しさと凄み
Twitterを見ていて、
『ミスター・ガラス』を観たくなりました。(評判に弱い)
予習していないとキツいとのことなので、
『アンブレイカブル』と『スプリット』を観ようと今に至る。
とりあえず『スプリット』から観てみました。
『スプリット』(2017年 アメリカ)
見知らぬ男に拉致され、密室に閉じ込められた女子高校生3人組は、
監禁場所で神経質な雰囲気を漂わせた男を目にする。
監督:M・ナイト・シャマラン
シャマラン映画を観てきたか
シャマランで観たことがあるのは『シックス・センス』
『アフター・アース』『ヴィレッジ』でしょうか。
結構素直に楽しんできました。
がっかりとは思ったことはなかった。
けど、言語化しにくい鑑賞後感もあって、
そこまで「好きな監督だ!」とも思っていなかった。
ラジー賞のこともあって、何となく舐めてここまできました。
結果として、シャマランに謝りたい。ごめんなさい。
俳優さんがいい
何といっても、ジェームズ・マカヴォイがすごい。
5人ぐらい演じ分けって出来るものなんですね。
23人の人格がいるってことらしいんですけど、
まぁ、23人全員映画で見せる必要性はそんな感じない
(というか、それがメインの話じゃないし)
「それぐらいいそうだ・・・」って思わせてくれるだけでも、
本当すごいと思った。
あと、ケイシー役のアニヤ・テイラー=ジョイさんもよかった。
表情のアップで、ここまで違いを出せるものなのか。
なんかゆるい
「え、なんかこのシーン妙に長くない?」みたいなのが
ぼちぼちあって、それがなんか変に面白い。
そんなゆるい感じするのに、でも、嫌じゃない。
映画って時間限られているから無駄がないものほど
良いって思ってる部分があるんだけど、
シャマランはそうじゃなくて、それが私には新鮮だった。
しかも、嫌じゃない。なんか妙に怖いけど、滑稽で、
みいってしまう。
懐の深さ
そういうゆるさも含めて、シャマランのやさしさなのではないか、と
ちょっと思った。誰かしらをないがしろにするようなことを
していない感じが、懐深い。
ヘドウィグの踊り、長い感じが奇妙だし、
今思えば慈しみも感じられる気がする。
なんかそんな気がする。
特筆すべきは、ケイシーが自分の心身の傷を
ある人が受け入れられることによって、
自分でもそれと対峙することになるんですが、
そのシーンがとても染み入ります。
とてもさりげなく、それでいて優しい。
普通に生きていくことすら地獄な時もあるけれど、
そっと背中をおしてくれているようにみえて、涙が・・・
早く『アンブレイカブル』観たくなりました。
シャマランの俺ユニバース、気になる。