ちんとんしゃんてんとん

好きな娯楽、ダラダラ日記、生活のことを書いている

『天才作家の妻 40年目の真実』きっと私はシラフでいたいんだ

予告編を観た時からずっと楽しみにしていた映画です。

ten-tsuma.jp

『天才作家の妻 40年目の真実』2017年 スウェーデンアメリカ・イギリス合作

 

ベテラン女優グレン・クローズが、世界的作家の夫を慎ましく支えてきた妻に扮し、夫婦の絆や人生の意味とは何かを描いたヒューマンドラマ。主人公ジョーンを演じたクローズは第91回アカデミー賞で主演女優賞にノミネートされ、クローズ自身にとって7度目のアカデミー賞候補になった。現代文学の巨匠ジョゼフがノーベル文学賞を授与されることになり、ジョゼフと妻のジョーンは息子を伴い、ノーベル賞の授賞式が行われるストックホルムを訪れる。しかし、そこでジョゼフの経歴に疑いを抱く記者ナサニエルと出会い、夫婦の秘密について問いただされる。実は若い頃から文才に恵まれていたジョーンは、あることがきっかけで作家になることをあきらめた過去があった。そしてジョゼフと結婚後、ジョーンは夫の影となり、世界的作家となる彼の成功を支えてきたのだが……。夫ジョゼフ役は「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズなどに出演するベテラン俳優のジョナサン・プライスが務めた。

監督:

(映画.comより)

 

この映画を話すとき、
なんて言っていいか本当に分からなくなる。
誰が悪いとかそういう話じゃないけれど、
でも、人によっては単純に
加害者と被害者に分けられてしまう話でもあって、
(映画内でも「被害者みたいに書かないでね」って
言ってましたね)
本当言葉につまってしまう。
そして、それは今でも続いていると思うと、
もっと何も言えなくなってしまう。

大好きなラジオ『アフター6ジャンクション』での
これまた大好きな特集「女子と本」でも、
夫(男性)になりかわり、小説を書く妻や女性の話が
出てきていたが(日本の有名作家でも割といた)
まさに、これもそういった感じでしたね。
(予告編でもこの話題は出ていたので
ネタバレではないと判断いたします)

ということで、映画でも印象に残ったことを書いていきます。
まとまった感想は、書いてみたけど、なんか違和感があるので
載せません。

 

オムファタルのジョー

グレン・クローズの演技が素晴らしいのは言うまでもないのですが、
若い時ジョー(ハリー・ロイド)と年とったジョー(ジョナサン・プライス)の
女を狂わせる男っぷりすさまじくて、
「こわ!こわー!」って思いながら見ていました。

 

浮気相手の説得力

出てきた浮気女の説得力もすさまじく。
ジョーンと観ている人たちの心をざわつかせる女たち。

 

才能を搾取されてきた女たち

ジョーンだけじゃなく、搾取されてきたであろう女たちが
出てきます。そのたび、ざわっとします。
”偉大な男”と思われる人の陰に女性あり感。

 

編集室での絶望感

ジョーンが勤めていた編集室の編集者たちの
悪い方のホモソーシャル感に胸焼けがした・・・
しんどい・・・


それでも残る愛
オチについては話はしませんが、よかったなぁと思いました。

 

そして被害者にはなりたくない

『ELLE』にも通じますけど、
本当単純な被害者になりたくないって気持ちが見て取れて、
彼女のプライドには感服いたしました。


細かい演出や演技が呼応して、
自分の女性性が、今までの女性たちにとって
どれほどまでに不安なものだったのだろう、
女性というだけで自己を実現する機会がないことは
どんな屈辱だっただろうと思ってしまった。

女性の活躍は、もしかしたら映画のように
男性を惨めにさせるかもしれないけれど、
その劣等感や優越感は健全なものなのか、
今一度考えてほしいとも思った。
もしかしたら、その健全ではない劣等感や
優越感があるとするなら、
それは社会のせいにして、捨てていってほしいと、
切実に思いました。