『ジョーカー・ゲーム』を観た。
監督:入江悠
撮影:柳島克己
出演:亀梨和也
伊勢谷祐介
あの入江監督がメジャー作品でスパイ映画だ!
ということで、前作『日々ロック』より
製作時期はこっちのほうが前のようですが、
『日々ロック』の私の感想は↓のような感じでしたが
今回はいかに。
続編まだかなー
公開初日と2日目が、映画にとっては大事なのだと
監督がおっしゃっていたのに、
結局3日目に2回観てきました。
この『ジョーカー・ゲーム』の今までの製作にかんする話を
Podcastなどを聴いてから観ているので、
様々なスパイ映画をはじめ色んな映画を参考に
しているのは知っていたのですが、
私気付いてしまったのはスパイ映画の素養がないということ。
これまでにハマったスパイ映画は『裏切りのサーカス』ぐらいです。
スパイ映画なのか潜入捜査ものはいくつか観ていますが、
スパイ映画ってそういえば007もそんなに観ていないし、
ミッションインポッシブルもTVでやってるのだらだらとしか
観たこと無いし、ボーンシリーズも観たこと無い、
プロジェクトAは小さい頃にあるだけです。
(こう挙げてみると、私はどんな映画を観てきたのか)
スパイって響きはかっこいいですけど、
何かピンとこなくて今までスルーしていたんだなと
今まで無自覚にきたのをここにきて自覚。
勉強不足ではありますが、私なりに感想を
書いていこうと思います。
印象に残ったことを箇条書き
①結城(伊勢谷さん)と嘉藤(亀梨くん)初対面シーン
予告編にもちょっと出てきていて、印象に残っているシーンでした。
1回目の時はよく分かっていなかったのですが、
あるものが途中からあるものに変わっていて
「うわあああああ」ってなりました。
とてもかっこいいシーンだし、
映画的な意味もあって、しびれました。
そういうことを思うとラストの車のところも
じーんときてしまいますね。
ラストもとても好きなシーンです。
見せ方に工夫をされているシーンがいくつかあったのですが、
一番印象的で好きなのはこれです。
②音の演出
これは『SRサイタマノラッパー』の時
特に3からなのでしょうけど、
細かい物音の演出がいい。
特にスパイ訓練所での音のシーンは好きです。
台詞もないのに、そこで確実に
台詞的な呼応がされているのが分かるけど、
どうゆうやり取りか分からないのに
そこに”やりとり”があることは分かるっていう
疎外感もあって、良いシーンだなあって思いました。
③亀梨くんを好きになる
これより前に『バンクーバーの朝日』を観ていて、
亀梨くんってちょっと陰がある熱い子なんだろうなっていう
彼本人のイメージ(私が思う亀梨くんのイメージではありますが)と
リンクしていて、とても好感を持ったのですが、
正直最初の方は、それよりも亀梨くんがやっている役に
あんまり乗れなくて。
それは何でかなーと思うと、キャラクター通り
何でも出来るのに、何か抜けているってところなんだと思います。
先述したポーカーも、やる前から考えたら分かりそうだし、
何か割と考えなしといいますが、
スパイのくせに人に対して用心深くなさすぎといいますか、
そういうところあんまり乗れなかったんですけど、
もう最後の方にはそれすら魅力でしたね。
(それは仲間にも言われてましたし)
怒濤のご都合展開がクライマックス待っているのですが
「いや、もう仕方ない、そういうのすら味方につける子だから、この子!」
みたいな、よく分からないけど遠い親戚みたいな気分になりました。
ラストあたりの吹き出し笑いする亀梨くんには
思わず幸せになってしまいました。すっかりトリコに。
***
今回スパイ映画って面白いんだなーって思えるキッカケになり、
そして発見として、1回目よりも2回目が
ずっと面白い映画があるってことでした。
1回目も面白かったのですが、2回目のほうが
ずっとずーっと面白かったです。
どのシーンにも、どのワンショットにも
無駄にするもんかっていう入江監督の気合いも感じられて、
それが自分にストンとハマる気持ち良さがあって、
それが2回目の方が大きかったです。
クライマックスの怒濤のご都合展開も
その規模がどんどん大きくなっていくにつれて
とても気持ちが良くなって行って、
全てが嘉藤の味方をしている流れの中にいるのに
リン(深キョン)一人だけマイペースな感じとか
そういうののリズムが最高で、とても観ていて
気持ちがよかったです。
1回だけが面白い映画ってあるんだなって
昨年思ったこともあって、
観る度に面白くなる映画があるってことも
私には改めて発見でした。
ただ2つ苦言を…
①楽器演奏シーンがかっこよくない
サックス吹いていたこともあって、
とても細かいことなのですが
気になってしまいました。
サックス奏者の吹き方がかっこよくなかったです。
②リンがかわいいけど綺麗じゃない
全部観たこともないのに大変失礼なのですが、
多分これは入江監督の今までの作品全体的に言えるような
気がしています。入江監督って女性の「かわいい」はいけても
「綺麗」を撮るのはもしかしたら苦手なのでは…と
『日々ロック』でも思ったのですが、今回もそう感じました。
前半のリンのメイド姿にあんまり魅力を感じなかったためか
嘉藤がハニートラップにかかる説得力があんまり
感じられなかったように思います。
謎の女性が出て来たら、ミステリアスに映る
ビジュアル的な最大のとっかかりって「美しい」ことだと
単純に思ったので、何だか勿体ない気がしました。
と長くなってしまいましたが、
面白かったんです!
これはとても嬉しいことでした。
柳島さんの撮影ってこともあって、
画面が硬質で美しいのですが、
それもあってか予告編の時点では
なんだかこじんまりして観えていたのですが、
杞憂に終わってくれて嬉しいです。
是非続編を!またあいつらに会いたい。
あと、スパイ映画も観たくなりました。
とりあえずボーンシリーズから初めてみようとおもいます。
私と一緒に君も始めないか!
これはとても好きー!!