ちんとんしゃんてんとん

好きな娯楽、ダラダラ日記、生活のことを書いている

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』幸せな記憶を持つということ

本当に楽しみにしていました、タランティーノ最新作。

予習ではないですけど、アトロクのタランティーノ監督インタビューや、いろんなネット記事(ネタバレ記事を除く)を読んでからの鑑賞となりました。その後もいろんな感想を読んだり、ネット記事を読んだりしています。

www.onceinhollywood.jp

アトロクのタランティーノ監督インタビュー、とても良かったです。この映画をより好きになることができました。

クエンティン・タランティーノ監督、ラジオ独占インタビュー!【8月29日O.A.】

 

あと印象に残ったのは、この話題。あまりいい話題ではないけれど、このことが頭にあったおかげで、よりマーゴット・ロビーのすごさを感じました。

タランティーノ監督、「マーゴット・ロビーのセリフが少ないのはなぜ?」の質問にキレる!|ハーパーズ バザー(Harper's BAZAAR)公式

 

クライマックスについてネタバレしています。

これから映画を観る方はお願いだから読まないでください。

 

とにかく幸せだった

面白かったし、楽しかったし、幸せだったし、だからこそ切なかった。あぁこれはフィクションで本当に起こったことじゃないんだなと思うと、悲しいというよりは切なくなった。
この幸せは、この映画が素直な作りだからこそ得られる感覚だと思った。タランティーノ特有の無駄話に見えてたものが最後につながってくる、伏線というよりは運命みたいに感じてしまう会話や、ただ話しているだけなのにのかまし合いのように見える会話が今回も出てくるけれど、それだけじゃなくて、「そうできることが幸せ」という刹那的な感覚が終始あった。そうなると「運命みたいな会話」の感覚が薄れていく。ただ会話が楽しい、ただこの場所にいることが嬉しい、ただ音楽に身を任せることが気持ち良い、そういった幸福感がリック、クリフ、そして誰よりもシャロン・テートを通して伝わってくる。
だからこそ、シャロン・テートの台詞が少ないながらも、彼女がのびやかに存在しているということに幸せな気持ちになれる。そして、台詞が少ないことで現実の彼女に起こる悲劇がより一層悲痛なものに感じられて、「どうか、起こらないで」と願うばかりだった。そして、それはフィクションの中で現実になる。

 

好きなシーンを挙げるとキリがない

基本的にコメディ調であることもあり、爆笑するシーンも沢山あったし、お気に入りのシーンも沢山ある。ディカプリオのアドリブらしい、台詞とんじゃってぶち切れいているリックの一連のシーンも好きだし、クリフとブランディのイチャイチャはどれも「かわいい!(語彙力の死)」ばかり。名前を覚えてすらいない人(マーヴィン)にかまされて、我慢できずにクリフの肩で泣いちゃうリックに悶絶したり、軽やかに女友達と手をつなぎ踊るシャロン・テートを見ながら彼女について語るマックイーンも好き。(リックがマックイーンになれない男であるにもかかわらず、マックイーンにだって手に入らないものがあった、みたいな悲哀が好き)スポーン牧場のシーンの緊張感は、映画館で映画を観ている一つの理由だなと思える。

 

キャラクターが誰も魅力的
とにもかくにもリックがかわいい、私のツボだった。メソメソメソメソしているのに強がったり自己嫌悪おちいったり、ちょっとしたことで機嫌が戻ったり、反省したのにすぐ酒のんじゃうリック・ダントンがめちゃめちゃかわいくてすぐ好きになった。人間のダメなところ目白押しなのに努力していて謙虚に努めようとしているのが、なんつーかディカプリオの愛らしさに溢れていて最高。なんとなくそんなに器用な人じゃなさそうなキュートさが、直に伝わるキャラクターだった。そんな七面倒くさいリックについていきながら、のらりくらり生きてる感(でも自分の責任の範囲内と弁えてる感じ)と何だかんだ人情に熱そうなクリフも最高。。この2人がディカプリオとプラピで見られたのは何の眼福なのかね、最高だった。ありがとう。

 

クライマックスが好き

そしてクライマックスが最高。テックスが言った有名な言葉「俺は悪魔だ」のところの一連が面白すぎて大爆笑してしまった。好き。ブランディも最高だった。ブランディが最高だったってことは、つまりクリフも最高だった。
そして最後。何だかんだビジネス上にあったであろう友情が、ビジネスがなくなっても、確かにあるんだと分かるシーンの幸せ。彼らは明日も会うんだよ。

そこからの、一連もまた私を幸せにしてくれた。インターホンから聞こえるシャロン・テートの声。涙があふれてしまった。まずは安心した、そして怒りもわいた、けれど何より寂しかった。

私はシャロン・テートについてあの悲劇しか知らなかった。なんて悲しい事件なんだと思ったとしても、シャロン・テートに対して寂しいなんて感情を抱いたことはないし、出ていた映画すらも知らなかった。でも、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』を観た後の私は彼女がいないという現実に寂しさを感じた。彼女の映画を観てみたいなと思い、googleを開いていた。これがタランティーノの言う「彼女を墓から救い出す」なのかもしれないなと思った。

 

観た後の私

 

ベスト犬映画選ぶか…